資産運用の商品を選択する際は、メリット・デメリットを把握しておくことが重要です。
昨今話題となっている米国株についても、同様にメリット・デメリットを理解しておく必要があります。
この記事では、米国株投資のメリットとデメリットをお伝えします。
米国株投資のメリット
はじめに、米国株投資のメリットをお伝えします。
リスク分散できる
米国株投資は、ポートフォリオのリスクを分散します。
日本固有の問題で日本株が下落しても、米国株を保有しておけばポートフォリオ全体としては下落を抑えることができます。いわゆるカントリーリスクの分散です。
また、日本株は円で保有で保有しますが、米国株は米ドルで保有します。
つまり、米国株に投資すれば円と米ドルの2通貨保有することになり、為替リスクを分散させることができます。
米国株投資を始めることで、カントリーリスクと為替リスクの両面において、リスクを分散できるのです。
配当が高い
米国株の配当は高い傾向にあります。
米国企業は、会社は株主のものという考え方が定着しており、積極的な株主還元の一環として配当金の増額が行われます。
米国株の中には、何年にも渡って配当金を毎年増額している企業があるほどです。
そのような企業に投資して株式を保有し続けることで、高い配当を受け取り続けることができます。
成長性も高い
米国株は成長性が高い銘柄が多いです。
米国は先進国であるにも関わらず、継続して人口が増加しています。
背景にあるのは移民の増加です。人口増加は新たな消費を生み出すため、長期的な経済成長を支える大きな要因になります。
また、技術の発展も盛んであり、GAFAと呼ばれる世界IT企業はすべて米国の企業です。
様々な産業のプラットフォーマーになっているのは米国企業であり、今後も高い成長性を期待できます。
1株から投資できる
米国であれば、上場株式とETF(上場投資信託)を1株から投資できます。
そのため、100株単位から投資できる日本株と比べて、最初にまとまった資金を用意する必要がありません。
例えば、米国株で有名なアップル(AAPL)に投資する場合を見てみましょう。
アップルは2021年10月現在、約150ドルの株価を付けています。
米国株は1株から購入できるため、アップルの株主になるために必要な資金は150ドル(日本円で約17,000円)です。
1株から投資できることで、投資資金の少ない方でも気軽に米国株投資を始めることができます。
日本株投資に応用できる
米国株投資を始めることで日本株投資に応用できます。
アメリカの株式市場は世界の最先端を行く企業が何社も上場していることから、フィンテックや脱炭素社会のような世界的なテーマが生まれたときに、トレンドの初動を作り出します。
そのため、米国株式で流行りのテーマと実際に紐づいている国内銘柄を把握できれば、次に日本株でどのような銘柄が物色されるのか、先回りで分かるようになります。
米国株投資を始めることで、日本株投資の投資判断に磨きをかけることができるのです。
米国株投資のデメリット
次に、米国株投資のデメリットをお伝えします。
為替リスクがある
米国株投資には為替リスクがあります。米国株投資は米ドル建で株式を購入するからです。
投資した米国株が上昇したとしても、為替が円高に振れていれば資産は目減りすることになります。
例えば、1ドル100円で10万円を両替した後、アップル(AAPLE)を150ドルで6株(9万円分)購入します。
その後、アップル株は10%値上がりしますが、円高が1ドル90円まで進んだところで売却します。
取引の損益は、次のようになるでしょう。
(購入時)
150ドル×6株=900ドル
900ドル=90,000円(1ドル100円)
損益 90,000円+10,000円=100,000円
(売却時)
165ドル×6株=990ドル
990ドル=89,100円(1ドル90円)
損益89,100円+10,000円=99,100円
(合計)
99,100円-100,000円=-900円
為替が円高に進んだことで、保有株式の値上がり益が目減りしてしまいました。
結果として、元本を割り込んだ損益となっています。
上記の通り、米国株に投資するときには、保有株式の値動きだけではなく、為替についても同様に意識を向ける必要があるのです。
米国特有の政治リスクがある
米国株に投資する際には、米国特有の政治リスクについても注意を払いましょう。
政治リスクが顕在化すると、アメリカの株式市場は大きく乱高下するからです。
米国特有の政治リスクには、次のようなものが挙げられます。
- 米大統領選挙
- 債務上限問題
米大統領選挙とは、アメリカの大統領を決める選挙です。選挙は4年に一度、11月の第1週目に行われます。
選挙の結果、誰が次期大統領になるかによって、米国株に大きな影響を与えます。
また債務上限問題とは、政府の債務が法律で定められた上限に達することで、米国債が債務不履行になるリスクです。
政府が保有する現金がなくなると、国債の利払いや償還ができなくなるため、デフォルトの危機が高まります。
法律で定められた債務の上限を引き上げるかどうかが、株式市場の焦点となります。
万が一デフォルトした場合、金融市場は大混乱に陥ることが予想されます。
そのため、債務の上限を引き上げる法案が通過するまでは政治リスクが高まります。
※デフォルト:国家が債務を返済できなくなること。
まとめ
米国株に投資することで、リスクの分散や配当が多く貰えるなどのメリットが得られる。
一方、米国株に投資するデメリットには、米ドル建で投資することによる為替リスクや米国特有の政治リスクが存在するのが挙げられる。
メリットとデメリットをよく考えた上で、米国株投資を行おう。
そのうえで不安や疑問の残る方は、「わたしのIFA」に相談をしてはいかがだろうか。
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