どうなる米国株!?今こそ高配当ETFと個別株の投資戦略を考えよう

目次

はじめに〜年初から低調な米国マーケット〜

コロナ以降の2020~21年にかけて米国株の際立つパフォーマンスに注目が集まり、この期間に米国株への投資をはじめた方も多いかもしれません。

ところが今年に入り米国株は大きく下落し、5/20には弱気相場入りを意味する「ベアマーケット」に突入しました。実際、ダウ工業株価平均指数は8週連続でマイナスが続きました。これは1932年以来の長期続落となっています。

では米国株はもうお終いなのか?というと、そうではないと筆者は考えます。なぜなら他国と比較したときの米国企業の優位性は何も変わっていないからです。近未来を想像すると電気自動車はテスラが業界を引っ張り、「アップル」が今後AR/VRヘッドセットを来年には発表されることが期待され、AIスピーカーでは「アマゾン」のEchoや「グーグル」のスマートスピーカーが日常に溶け込み、最近話題のメタバース領域についても半導体分野では「エヌビディア」、フォートナイトで有名なゲーム会社「エピックゲームズ(非上場)」など、少なくとも現在から近未来の先端技術を米国企業がリードしています。つまり今後5年,10年先の未来においても米国企業が最も成長している可能性が高く、仮にGAFAM+Tに並ぶような企業が現れるとしたら、それは米国発の企業である確率が最も高いことを意味しています。

これらの理由から米国株への投資は最も有効な手段の一つであると言えるのではないでしょうか。 また既に一定以上の資産を持っており、米国株に投資をしている、または興味はあるものの、資産形成(資産の総額を増やす)よりも資産運用(資産によって配当金を得る)に重きをおきたいと考える方も多いかもしれません。

そこで今回は米国に投資をしながら高配当を得るETFと個別株の投資方法ついて解説していきます。

高配当投資のメリット・デメリット

高配当投資のメリットは、定期的に配当金を得られることです。配当がメインの投資方法であり、株価は比較的安定しているのが特徴です。

なぜなら株主も配当を得るために投資をしているので、マーケットが多少ギクシャクしていても株を売却する投資家が少ないためです。あくまでも配当が最優先であり株価の上昇を狙った投資ではないことも大きな特徴でしょう。

高配当投資のデメリットは、そもそも高配当を出す企業は成長産業ではないセクターの企業が多く、特に高配当個別株の場合は他のセクターの投資先よりも財務分析や長期負債、キャッシュ余力などを調べることが大切です。

次に高配当ETFですが、これはデメリットではないですが、資産形成速度は米国株式市場にほぼ丸ごと投資することが出来る米国インデックス投資の代表的なETFである「VTI」と比較すると、高配当ETFの株価の上昇スピードは緩やかです。これは個別株にも当てはまりますが、あくまでも高配当投資は資産形成ではなく資産運用という目的を持った場合の投資先と言えるでしょう。

3大高配当ETF(VYM 、HDV、SPYD)の特徴を比較

ここでは米国を代表する3大高配当ETFである「VYM」「HDV」「SPYD」の特徴を比較していきます。

【VYM】

VYMの運営会社はバンガード社、構成銘柄数は約400銘柄です。米国株式市場で平均以上の配当を出す個別株で構成されたFTSEハイディビデンド・イールド指数に連動するように設計されています。現時点における上位構成銘柄はジョンソン・エンド・ジョンソン(JNJ)、プロクター・アンド・ギャンブル(PG)、エクソンモービル(XOM)、JPモルガン(JPM)、ホームデポ(HD)、シェブロン(CVX)、ファイザー(PFE)などが連ねています。主にヘルスケア、生活必需品、金融、公益、ハイテクなどが主要セクターとして組み入れられています。 (信託手数料0.06%、直近の配当利回り2.40%)

【HDV】

HDVの運営会社はブラックロック社、構成銘柄数は約75銘柄です。投資信託(ファンド)の評価機関であるモーニングスターが算出し公表する米国高配当株で構成されるモーニングスター配当フォーカス指数に連動した投資成果を目指すETFです。現時点における上位構成銘柄はエクソンモービル(XOM)、アッヴィ(ABBV)、ジョンソンエンドジョンソン(JNJ)、シェブロン(CVX)、JPモルガン(JPM)、ベライゾン(VZ)などが連ねています。主にエネルギー、ヘルスケア、通信、公益、ハイテクなどが主要セクターとして組み入れられています。 (信託手数料0.08%、直近の配当利回り2.83%)

【SPYD】

SPYDの運営会社はステート・ストリート社、構成銘柄数は約80銘柄です。S&P500高配当指数に連動した投資成果を目指すETFです。現時点における上位構成銘柄はバレロ・エナジー(VLO)、マラソン・ペトロリアム(MPC)、シェブロン(CVX)、エクソンモービル(XOM)、ベーカー・ヒューズ(BKR)、EOGリソーシズ(EOG)などが連ねています。主に不動産、金融、エネルギー、公益、生活必需品などが主要セクターとして組み入れられています。 (信託手数料0.07%、直近の配当利回り5.89%)

分散投資ならVYM

このなかで最も分散投資の効果があるのが構成銘柄数の多いVYMです。また分散投資の効果がある高配当ETFへの投資はドルコスト平均法による積み立て投資にも向いており、ポートフォリオの一部に組み入れることも検討する価値があると考えられます。

高配当個別株のメリット&デメリット

高配当個別株の定義として米国株の場合は3%以上から高配当投資といわれています。そしてこの高配当個別株のメリットとデメリットは表裏一体であることも特徴です。

なぜなら資産額が大きいほどメリットを感じやすい一方で、購入するエントリータイミングによっては長期的な含み損を抱えることケースもあるからです。

実際、投資家の中には配当がメインで購入していたつもりが含み損によって株を手放し、損失を出す場合もあります。特に高配当銘柄はハイテク企業のような成長セクターではないため、株価が横ばいで比較的安定して推移することが多い一方、個別株によっては1度高値を付けたあとに長期的に下落したままということもあり得るからです。

例えばAT&T(AT)の場合を見てみると、仮に1999年に投資をした場合、2022年現在まで含み損を抱え続けたことになります。これが高配当個別株の難しいところなのです、一見すると簡単に思える高配当投資ですが、実は熟練したマネーリテラシーが必要であることが株価のデータからも見えてくるのです。

高配当個別株のメリット&デメリット

資産運用の方法にはいくつもの方法やゴールがあるため、正解は一つではありません。また資産の大きさによってプロに運用を任せている方もいるでしょう。

その一方で資産をある程度自分で運用したい方にとっては攻めと守りの「コア・サテライト戦略」も面白いのではないでしょうか。

例えばポートフォリオのコアをVTI、サテライトを高配当ETFや高配当個別株を選択することで、資産を増加させながら定期的に配当を得る楽しさを味わう投資方法も可能でしょう。 特に現在のような米国株の下落局面においては、自身のリスク許容度などを考える絶好の機会です。そして高配当ETFや高配当個別株をポートフォリオに組み入れるべきなのかどうか、そこで最も大切なことは自分自身が納得しているかどうかです。

特に長期投資においては必ず暴落局面に直面することがあります。そうした時でも投資を継続できる設計をあらかじめ用意しておくこと、これが最も大切な投資戦略ではないでしょうか。その土台の上で高配当投資を検討することが賢明な投資家であり資産家への道だと筆者は考えます。

この記事の監修者

高橋知世(アドバイザーナビ株式会社 広報)

経歴
みずほ証券に新卒入社。営業店で富裕層向けの資産運用アドバイザー業務に従事。2022年よりアドバイザーナビ株式会社にて広報業務を担当。

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