尾崎 佳奈様

IFAの皆様に、それぞれのキャリアや投資に関する考え方、日々の業務についてをインタビューする連載コラム。

今回のIFA個人インタビューは、尾崎佳奈様にお話をお伺いしました。

相続コンサルタントとしても活躍している尾崎様。提案内容に納得感を持ってもらうため、お客様と綿密なヒアリングを積み重ねることを得意としています。

目次

新卒で証券会社への就職を選択した理由を教えて下さい。

仕事を選ぶうえで3つの軸がありました。1つ目はモノを売る仕事ではなくて、目に見えない付加価値を付けて自分を売る仕事がしたいと思いました。

2つ目は仕事を通じて、自分が生きていくうえで必要な知識を身に着けたいということ。

そして3つ目が、お客様と長くお付き合いできる仕事であることです。

この3つの軸を考えた時、証券会社が一番ぴったりだと思いました。実は銀行も受けたのですが、いろいろな方に話を聞いても、そこで自分が働き続けるイメージが湧いてこなかったのです。それに証券会社の方が、仕事を通じて自分の資産を増やすための勉強が出来ると思いました。

その証券会社を辞めて独立するわけですが、そこに至るまでの経緯はどうだったのですか。

証券会社に勤めていた頃は、新人賞や社長賞を獲るのを目標にして、ひたすら成績を上げることに邁進していたのですが、長く働いているうちに、「このまま今の働き方を続けていても良いのだろうか」という疑問が浮かんできました。販売目標も年々厳しくなり、自分自身が働いていくうえで大事にしたいことと、実際に自分がやっている行動の間に乖離が生じてきて、それがどんどん広がっていく気がしてきたのです。

証券会社でキャリアを積むことも素晴らしいことですが、私はあまりそこには興味を持つことができませんでした。それよりもストレスなく働きながら、ワーク・ライフ・バランスを保ち、自分の価値を高めつつ、コンサルタントとして成功したいという気持ちが強くなったのです。それがIFAになることを決意した経緯です。

普段のお仕事の流れを教えて下さい。

大事にしているのは、お客様へのヒアリングですね。なぜならヒアリングによって得たお客様の情報によって、提案内容が大きく変わってくるからです。どのような悩み、課題を抱えていらっしゃるのか、現在の家族構成や資産構成はどうなっているのかなどを伺ってから、課題を解決するための運用プランや相続、税金対策などを提案させていただきます。この一連の流れを日々、繰り返しています。

証券会社とは提案のスタイルが大きく変わりましたか。

そうですね。もう全然と言って良いくらい違います。証券会社の時は、それこそ20代のお客様がお見えになられた時、「つみたてNISAで資産形成しましょう」という提案はしませんし、億単位の資金を運用したいという大口のお客様に対して、分散投資を勧めることもしません。1億円で1本の投資信託をまとめ買いしていただくように営業するのが普通です。

でも、それではお客様と長いお付き合いは出来ません。今はIFAの立場ですから、資産形成層のお客様に対してつみたてNISAで長期の資産形成をお勧めすることもありますし、大口のお客様に対しては資産クラス分散や時間分散を活用して、出来る限りリスクを分散できるような提案をしております。

仕事のやりがいは何ですか。

お客様に資産を増やしていただくことです。モノを売る仕事だと、モノを買っていただいた途端にお客様のキャッシュフローはマイナスになりますが、金融はそれをプラスにできる数少ない仕事だと思います。投資なので、マイナスになることもあり、そうなると私自身も辛いのですが、失敗した時のことを忘れないようにして、次に活かしていきたいと思っています。

どのような相談が多いのですか。

比較的、投資経験のないお客様がいらっしゃるので、どのような商品を選べばいいのかといったご相談を頂戴することが多いですね。あとは退職金運用と、ご高齢の方からは相続のご相談が増えています。

得意とされる提案分野は何ですか。

どの分野が得意かというよりも、ヒアリングを重ねることで、お客様が漠然と抱いている問題点、運用の目的などを明確にして差し上げることが得意です。

相談に見えられる方の中には、なぜ運用しなければならないのか、どうやって運用すれば良いのかといったことが分からないまま、とにかく運用しなければと思っていらっしゃる方が結構いらっしゃいます。ですから、何を目標にするのか、将来の必要資金はいくらなのか、そのお金を作るにはどのくらいの利回りで運用しなければならないのかといった点を、一緒に考えるようにします。その過程のなかで、お客様からすると、ある種の納得感が得られるのだと思います。

運用にしても何にしても、お金の問題に取り組むためには、納得感を持つことが大事だと思います。実際、「何となく」で運用を始めてしまうと、価格が下がった時に不安感に襲われたり、途中で何となく嫌になったりして、運用を止めてしまうケースが少なくありません。運用に限った話ではないのですが、何事も自分で納得できる目標を定めてから行動することが大事ですし、そこに気付いていただけるように話をするのが、私たちの仕事をするうえでも大切なことだと思います。

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